自家がんワクチン療法 ~患者さま本人だけの専用ワクチン~
自家がんワクチン療法とは
「自家がんワクチン療法」は、がん免疫療法のひとつです。手術で摘出したがん組織を使い、患者さま専用のがんワクチンに加工して投与する、オーダーメイドのがん免疫療法です。
愛宕病院ではがん免疫療法を研究しており、「自家がんワクチン療法」はそのひとつです。
「自家がんワクチン」を開発したセルメディシン株式会社と共同で臨床解析研究を行っています。副作用のとても少ない「自家がんワクチン」は希望の持てるがん免疫療法だと考えています。
自家がんワクチンの原理
「自家がんワクチン」の製造には、免疫細胞を活性化する刺激剤として、患者さま自身のパラフィン包埋がん組織を特殊加工して無毒化したものを使用します。これにはがん抗原といわれるヒトの免疫細胞が「異常」とみなすことができる目印が含まれており、免疫細胞にこのがんの目印を記憶させ、がん細胞だけを選択して攻撃するようにトレーニングします。
自家がんワクチンの作製
自家がんワクチンの作製には、患者さまご自身のがん組織(パラフィン包埋ブロック、もしくはホルマリン漬け組織で、組織量として2㎏以上あるもの)が必要となります。パラフィン包埋ブロックの場合3~4個必要です。
がん組織の加工はセルメディシン株式会社で行います。自家がんワクチンの作製期間は最短3日間、前後の輸送期間を加えると5日間から1週間程度かかります。
ワクチン完成(到着)後の治療手順
原則として1コース、外来通院で接種が可能です。
ワクチン接種を開始する前に、必要に応じて腫瘍マーカーなどの採血検査、超音波検査、CT、X線検査などの画像診断を行うことがあります。
1コースは下図のとおり、免疫反応テスト(皮内テスト)2回、和内ん接種3回、計5回の注射を行います。
接種終了後のフォローアップ検査として、血液検査、超音波やCT、MRI、PETなどの画像診断を行います。少なくとも3年間、できれば5年間のフォローアップ検査が必要です。
主な副作用について
注射部位の発赤、表皮の落屑、一過性の発熱がみられることがあります。現在のところ重篤な副作用は報告されていません。
費用について(消費税込)
免疫反応テスト(1回目のみ) 11,000円
1~3回目 自家がんワクチン投与(1回につき) 50,000円
予約・お問い合わせ
愛宕病院 外科外来まで
※「自家がんワクチン療法」は、まだ臨床研究段階の新しい治療法です。
※ ご希望の場合には、リスクなどを含めくわしくご説明します。
※ 患者さまやご家族の十分なご理解とご同意を得たうえで治療に入ることになります。
出典:セルメディシン株式会社HP