心原性脳塞栓とは
超急性期~急性期 心原性脳塞栓症の診断(心原性? 閉塞血管は? 治療方針?)
A. 病歴聴取のポイント
発症時間、発症様式、既往症
B. 神経学的所見のポイント
皮質徴候の有無(虚血が皮質に及んでいることを示し、塞栓ないしアテローム血栓性を強く疑う)
意識状態の変化(*返答できてもいつもと何となくおかしくないか?)
失語
視野障害
半側空間無視
皮質性感覚障害~感覚消去
* 神経学的に一見問題ないようでも、家族がいつもと違うといっている場合、家族が正しい事が多い。
C. 不整脈の有無:心房細動が原因であっても心房細動が来院時あるのは約40%
逆に心房細動を持っている脳梗塞の約7割が心原性脳塞栓症である
D. 画像診断について
- 超急性期(低吸収域がはっきりしてない時期)頭部CT~early CT signs の有無
- 閉塞主幹動脈内の高吸収陰影(hyperdense MCA sign)
- 灰白質領域のCT 値の軽度低下
- レンズ核辺縁の不鮮明化
- 島皮質の不鮮明化
- 皮質~皮質下境界の低吸収化
- 閉塞血管領域の脳溝の狭小化
- 頭部CTに異常ない→Diffusion MRI で高度虚血部位は高信号
- CT あるいはMRI で病変あり~皮質は含むか? 多発性か?
急性期療法
- 抗血栓療法
1. 抗凝固療法(アルガドロバン、ヘパリン)
2. 抗血小板療法(アスピリン、オザグレル) - 抗脳浮腫療法(グリセロール)
- 脳保護療法(ラディカル消去薬エダラボン)
- 超急性期血行再建術
1. 血栓溶解療法(経静脈的、経動脈的)
2. 機械的血栓回収
3. 経皮的血管拡張術(PTA)
4. 頚動脈内膜剥離術
5. EC-ICバイパス
脳神経外科