脳血栓症について
超急性期から急性期 脳血栓症の治療
A. 超急性期血行再建術→ 症例の選択がポイント。症例を誤ると大出血
1. 血栓溶解療法(経静脈的、経動脈的)
発症3時間以内の脳梗塞(特に病型はこだわらない)に対してt-PA 静脈投与
超選択的血栓溶解療法は発症6時間以内の心原性梗塞にウロキナーゼを使用
2. 機械的血栓回収
- 出血歴や最近の手術歴などの既往によりrt-PAの静注療法の適応外になった患者にも血行再建術の機会が与えられるようになった
- rt-PA静注療法では短時間で再開通を得るのが困難であった、比較的大きな血栓・塞栓による脳主幹動脈閉塞に対して有効である
- rt-PA静注療法は発症3時間以内に許可された治療法であるのに対し、発症後8時間まで施工可能である
3. 経皮的血管拡張術(PTA)~STEALTH balloon catheter 使用
血栓溶解療法と組み合わせが主体 (EBM なし)
適応決定因子:時間、虚血の程度、栓子の種類
*その他適応決定に参考になる検査
- NIH stroke scale: 重症例は適応なし
- 頭部CT: early CT signs を含め全く変化がないこと
- 頭部diffusion MRI: 広い範囲の高信号域の出現は適応外
- 頭部SPECT、頭部pefusion MRI
- 血栓による閉塞部位の末梢圧(wedge pessure)
脳血管内治療による血栓溶解療法(動脈内投与法)
- 脳血管内治療の一つであり、脳血管撮影の手技を用いて、細いカテーテルを脳内の血管まで挿入して、 直接詰まった血管の血栓内に薬を注入します。
- この脳血管内治療は、静脈内投与法と比べて再開通率が高く、薬剤の投与量も少なくてすむ可能性があり、有用性が期待されています。
脳血管内治療による血栓溶解療法(動脈内投与法)の適応
- 中大脳動脈閉塞例
- DWI/PWI mismatch
- ADC 500 μmm2/sec以上
- 出血予防: PTA併用・ウロキナーゼ少量
B.対症療法
急性期は脳卒中集中治療室での治療が望ましい。
- 補液←血管内脱水になると凝固傾向になり再塞栓のリスクがあがる。
- 抗脳浮腫
- グリセオール
- マニトール
- 場合によっては、減圧開頭術
脳神経外科