高齢ドライバーの安全運転推進のために
社会の高齢化が進む中、高齢運転者による交通事故が急増しています。
2017年3月に改正された道路交通法により、交通違反をして認知症診断書提出命令を受ける軽度認知障害や認知症が疑われる高齢運転者の急増も予想されます。
ところが、運動機能や認知機能が低下した高齢者に対して、自動車の安全運転を維持あるいは推進するための対策は十分とは言えないのが現状です。
愛宕病院では2017年10月から、3テスラの超伝導MRIによる精細な脳画像診断を基に、最新のドライブシミュレータを用いて安全運転に必要な運動・認知機能評価を行い、さらにリハビリテーション治療による安全運転能力の向上を目指す自動車運転外来を開設しています。
微力ながらも、当院の自動車運転外来が安全・安心な高齢社会の実現に少しでも役立つようにスタッフ一同頑張っております。
認知症疑いの患者さまに対するリハビリテーション治療と連動した自動車運転外来は全国初の試みであり、皆さまのご意見や県警のご指導を賜りながら、より良い診療活動を目指したいと考えています。
広報誌あたご 2020年冬号に、自動車運転外来の特集記事を掲載しています。
愛宕病院自動車運転外来の流れ
認知機能が低下している不安のある方や交通違反があった方々に対し、まずドライブシミュレータ、高次脳機能検査、MRIを実施して運転に必要な技能・認知機能を検査します。
その後、医師の処方のもとリハビリテーションを実施し、運転能力向上を目指します。
また、実際の運転による運転指導をしていただくように教習所への紹介もしています。その結果を基にリハビリテーション指導も実施していきます。
希望に応じて認知機能に対するリハビリテーションや入院患者さまにも対応しています。
実際のリハビリテーション
個人の低下した機能に合わせたオーダーメイドのリハビリテーションを実施していきます。身体運動、認知機能の機能レベルからドライブシミュレータの運動応用能力をトレーニングします。
その後に実際の運転操作を免許センターで評価、指導します。その結果を参照し、オーダーメイドのリハビリ内容を再検討していきます。
運転能力を評価する最新機器とリハビリテーション
HONDA社製ドライブシミュレータ

自動車の運転能力を総合的に判定
リハビリとしても使用
腕の巧緻性評価訓練機器
Trace Coder TM 粗大版

パソコン端末を用いて両腕の粗大運動を評価します。
滑らかに正確に運動できるか評価したり訓練したりします。
@attention

目と手の動きで注意力を評価
脳活性化運動

近年、運動と同時に認知課題(脳の処理を要する課題)を行うことで認知機能全般の維持や向上につながると言われています。
認知機能課題

あなたが自動車を運転するうえで必要な能力は??
評価結果から得た情報に基づいて必要な機能のベースアップを図ります。
診療日
木曜日 午後(予約制) 担当医師:朴 啓彰
運転や認知機能に不安のある高齢ドライバーの方は、お気軽にお問い合わせください。